ある日突然、発症する顔面神経麻痺
朝、いつものように顔を洗い、うがいをする。ところが、口から水がこぼれてしまいうまくいかない。
目を閉じようとしても、閉じれない。
こんな症状がある日突然、発症する顔面神経麻痺。とってもつらいですね。
「そういえば、冷たい風に一日中あたっていた。」などと、原因が思い当たる場合もありますが、原因不明も多いです。
あなた自身では避けようのない、ストレスによって発症する場合もあります。
なにしろ顔面神経麻痺は、大切な「顔」におこる症状、あなたの不安や恐怖は、言葉では言い表せられないものでしょう。
「これは夢に違いない!」と叫びたくなるような心境ではないでしょうか。
中枢性の麻痺と末梢性の麻痺
顔面神経麻痺には、中枢性の麻痺と末梢性の麻痺があります。
中枢性麻痺は、脳溢血や脳腫瘍など脳内で発症する症状ですので、至急、病院にかかる必要があります。
それ以外の末梢性の顔面神経麻痺は、鍼灸治療により高い効果が期待できます。
治療開始が早いほど治りやすい
一般的に、治療開始が早いほど治りやすいと言えます。
いずれにしても、病院での診察を受けてください。
その上で、病院での治療(薬物治療など)と鍼灸治療を併用することがベターでしょう。
急性期の顔面神経麻痺には「低周波パルス通電はり治療」は厳禁
鍼灸治療と一概に言っても、治療院によって顔面神経麻痺にとる治療方法はさまざまです。
注意しないとないといけないのは、急性期の顔面神経麻痺には「低周波パルス通電はり治療」は厳禁ということです。
これは麻痺している顔にはりをうち、そこに電気を流す治療のことをさします。
後遺症を起こしてしまう可能性があるので、発症後1~2ヶ月は顔に電気治療をやってはいけないのです。
しかし、急性期を過ぎた症状や、麻痺している以外の肩や手などのツボに電気を流すのは大丈夫です。
「刺しては抜く」やさしい刺激
そのため、当院では急性期の顔面神経麻痺の治療では、麻痺した顔の局所には、
美容ばりでも使用する0.12ミリの極細のはり一本だけを用いて、
「刺しては抜く」やさしい刺激を顔に加えるところからはじめます。
そして、何本かのはりを10分~15分留め置く方法も併用していきます。
「からだは全身つながっているの」ので、無理のない範囲で麻痺している顔以外の
肩や手などのツボに電気を流すはりをする場合もあります。
顔のゆがみをとるマッサージ
そしてやさしい、顔のゆがみをとるマッサージをおこないます。
急性期を過ぎた症状には、動きにくい表情筋に刺激を加えるため、
顔のツボに「低周波パルス通電はり治療」をおこなう場合もあります。
そして何よりも大事なのが、患者さんが
「あの時は、顔面神経麻痺でたいへんだったなあ・・・」と、
振り返れる時が早くくるよう、心がけ治療することだと思います。