パーキンソン病の鍼灸治療


外出できるようになった

パーキンソン病


自宅で転ぶようになったり、歩くのが難しくなってくると、早くリハビリや治療を始めたほうがいい。


なぜなら、筋力は時間とともに衰え、関節は固くなり、血行も悪くなるからだ。それだけ回復も大変になってくる。


ここで紹介する、Yさんも最初は、布団から立ち上がることも寝返りを打つのも難しかった。
家の中も、両手で何かにつかまらなければ、歩けませんでした。


このままでは、寝たきり、車椅子での移動になってしまう。


本人や家の方たちは焦った。当然、病院に通院し、薬も飲んでいる。


そんなYさんのところへ、鍼灸治療の往診を始めたのは、半年前の病院で、転倒し、右ひざを骨折した後のことでした。

鍼灸治療の方針

症状は、ひざ、股関節、肩、ひじなどにパーキンソン特有のこわばりが出ている状態、また背中~腰にかけての筋肉の緊張が半端ではない。

 

また、ほかの病気の手術痕の癒着のため、便秘がある。肩こり、腰痛、ひざの痛みにも悩まされている状態。

 

ここでの治療方針は、

 

1・便秘の解消(便秘は万病のもと)

 

2・痛みの改善(痛みがあると、からだの緊張を生じる)

 

3・関節のこわばりの軽減(可動域を広げ、動きやすくする)

 

の順に治療

鍼灸治療の構成

はり治療に抵抗があるため、お灸を選択(無駄な緊張を強いる必要は今のところ必要ないと判断)

 

温灸+マッサージ+ストレッチ

 

温灸でからだに熱を入れ、全身の機能を向上させる

 

マッサージでこわばっている筋肉をゆるませる

 

ストレッチで縮んでいる筋肉を伸ばす

鍼灸で不可能を可能に

もちろん病気が軽度だったから、回復が早かったこともあるでしょうが、

半年後の今のYさんは、シルバーカーを押して外出できるようになり
杖なしでの歩行にも自信がついてきています。

 

もちろん、調子のいい日ばかりではありません。関節のこわばりが強く、寝返りができにくい日もありますし、背中に痛みがある日もありますが、何もつかまらずに外を歩けるようになることを目標に

この後、鍼灸治療、リハビリを進めていきたいと思う。

温灸のポイント パーキンソン