60代 男性
半年前に、転倒して肩を強打、骨折する。そのため二の腕の骨(上腕骨)の手術をした。
その後、リハビリを半年したのだが、なかなか腕があがらない、痛みが改善しないため、
当院に来院する。
肩の症状は、腕を後ろに回す、頭の後ろを触る、といった動作は難しく、前から頭の上に腕を上げるのは、135度まで、横から腕を上に上げるのは、90度までしか腕が上がらない。
そのほか、慢性胃炎、高血圧、高血糖、ひざの痛みがある状態
手術後の五十肩の症状なので、「外傷性肩関節周囲炎」と見立てる。
半年、リハビリをしても症状が改善しない。これは別にリハビリをしていた人の腕の問題ではないと思います。ただ違う治療の切り口が必要でしょう。
慢性胃炎、高血圧、高血糖、ひざの痛みなど全体的な症状があるため、こちらの治療もしていくことにしました。胃腸が調子よくないと、なかなか各からだの部位の痛みも改善しないからです。
それは、いくら腕のいい大工さんがそろっていても、材木がないことには家が建たないことに似ています。いくら腕の治療をしっかりしても、胃腸が調子悪いために食べ物が消化吸収されないと、、細胞を修復する材料がからだの各部位に行き渡りません。
そのため、胃腸の調子をよくするため、背中の治療を行う。
平行して、肩の治療を行う。
治療の最初の時期は、胃腸の治療のほうが割合は多かった。現在は胃腸と肩が半々になってきています。慢性胃炎の症状は和らぎ、胸焼けもしなくなってきています。肩の動きも朝起床時の痛みが和らいで、頭の後ろに触れるようになって来ています。