ある日突然、ヘルペスに!ヘルペス後の神経痛には“このツボ⁉”帯状疱疹後神経痛
1.ある日突然ヘルペス!ヘルペスとは?ヘルペス後の神経痛とは?
2.WHO(世界保健機構)もヘルペスに鍼灸治療を認めています。
3.ヘルペス、ヘルペス後の痛みに使うツボをご紹介します。
4.それから早く回復するために心がけることをアドバイス!
①ある日突然ヘルペス!ヘルペスとは?ヘルペス後の神経痛とは?
わたしがヘルペスになった体験
仕事帰りに右腰とお尻にヒリヒリと痛みを感じた。その痛みは打撲傷のような痛みだった。まるでバットでたたかれた後のようにヒリヒリしている。おかしいな、ぶつけた覚えもないのにどうして痛いのだろうかと思った。
もともと痛みには鈍感?な性なのか、普通に日常は送ることができた。しばらくして、今度は右の内モモに痛痒い感じがしてきた。見てみるとプツプツと赤い発疹ができていた。
自分ではこれがヘルペスとはしばらく思い当たらなかった。ヘルペスはかゆみが無く痛みだけだと他の先生や患者さんから聞いたり見たりしていたからだ。自分のように鈍い人間は少しかゆみも感じるんだなと、そのとき思ったのです。少し経って、医師に確認したところ、やはりヘルペスという診断でした。そして抗ウイルス薬を処方されたのです。
仕事柄、ヘルペスになった患者さんを多く見てきました。最初に背中の痛みを訴えて来る方が多いです。その痛みはピリピリとかヒリヒリという感じで、背中の筋肉を痛めた感じとはちょっと訴え方が違います。
背中に赤いプツプツがあればすぐに帯状疱疹ヘルペスとわかるので皮膚科に行くことを勧めるのですが、まだ発疹が出ていない方もいます。そんな時はヘルペスの可能性を示唆して、痛みのある赤い発疹がでたら皮膚科に行くように言います。
ヘルペスウイルスは免疫力が低下しているときに、潜んでいた細胞から起き上がって悪さを始めます。末梢神経に入り込んで炎症を引き起こし、神経を破壊してしまうのです。
それで末梢神経の先端の皮膚に発疹ができます。これがヘルペスの症状です。
やがて炎症も落ち着き、発疹も治るのですが、ひどく炎症した部位は神経が周りの組織と癒着してしまい神経の再生がうまくできません。これがヘルペス後の神経痛の原因となります。
② ③ヘルペスの鍼灸治療とツボのお話
ヘルペスに対する鍼灸治療はWHO(世界保健機構)も認めています。
そのヘルペスの鍼灸治療ですが大きく分けて2通りあります。
一つは発症中です。これは抗ウイルス薬と併用になります。おもに痛みのケアが目的となります。ヘルペスは痛みがともないその痛みで動くことができなくて入院する方もいます。その痛みのケアに発疹が出ている周りを取り囲むように鍼治療をしたり、痛みの出ている皮膚領域と同じデルマトームの背骨の近くに鍼治療を行います。
でもこの時期はとてもデリケート、伝染する可能性もあります。抗ウイルス薬だけ服用して安静にしていていいと思います。
そして二つ目がヘルペス後です。
わたしが鍼灸治療が本領を発揮するのはヘルペス後の神経痛だと思います。
ヘルペスの炎症が強いと後に神経痛が残ります。これは炎症によって神経とその周りの皮膚が癒着を起こしてしまうためです。この場合、癒着ケアの施術と神経痛をケアする施術、そして全身を整えて免疫力をアップさせる施術の3本建てとなります。
この3つの施術は同時に全部するわけではありません。ピリピリと患部の痛みが強ければ癒着ケアを、神経痛が強ければ痛みのケアを、その二つがある程度よければ免疫力アップの全身ケアを、というようにその症状と経過ごとに施術内容は変わってきます。
癒着のケアはピリピリ感じている場所に、やさしく癒着はがしマッサージを施術します。
はりに抵抗感がなければ、極細い鍼をごく浅く施術するのもいいと思います。
そして痛みのケアは背骨に施術します。
一口にヘルペスといってもいろいろあります。
唇に熱の花がでたり、背中や胸に帯状疱疹が出たりいろいろです。
そこで部位によってツボも変わってきます。
その参考になるのが、画像にあるデルマトームです。
デルマトームは体のどこの皮膚感覚が、背骨のどことつながっているかを表しています。
簡単に説明すると頭は首の上部、腕は首の下部、胸からお腹は背中の上部、下腹部から足は腰部とつながっています。痛みがどの辺にあるかでツボが変わるのです。
ご自分でも、背骨付近をやさしく叩たいたり、押したりしてケアできます。手が届かなければ、棒のようなもので軽くタッピングしてもいいです。
④日常生活で心がけることは、免疫力を低下させないことです。
ヘルペスは治っても体の中にウイルスが潜んでいます。体調が悪くなって免疫力が低下すると再発することもあります。
睡眠、食事、運動をして体調を整える。
食事は、リジンやアルギニンなど必須アミノ酸の多く含まれている食べ物、魚類、肉類、大豆製品などを取るといいでしょう。
適度な運動をして血液循環を促すことも大事です。
睡眠不足も免疫力を低下させます。気を付けてください。
からだを冷やさないことも大事なので外気などで体が冷えたらあったかいお風呂に長めに浸かるのもいいでしょう。
時間の経過に伴ってヘルペス後の神経痛はしつこい症状になりますが先ほどの三本立ての施術、癒着ケア、痛みケア、免疫力ケアで少しでも悩みを減らしたいと思っております。
そして、お灸は手軽に免疫力をアップさせるアイテムです。温灸は火傷の心配も少ない自分でもできます。みなさまの健康維持に少しでも鍼灸がお役に立てるといいと思います。